お盆に電報を送るという選択肢―帰省できないとき、気持ちを言葉にして届ける

お盆になると、実家に帰り、お墓参りをしたり、仏壇に手を合わせたりする方も多いでしょう。

毎年当たり前のように帰省している人がいる一方で、仕事や家庭の事情、住んでいる場所などによって、帰りたくても帰れないこともあります。

そんなとき、「何もしないのも、少し気になる」と感じることがあります。

お供え物を送る。電話をする。手紙を書く。いろいろな方法がありますが、もう一つ、あまり思いつかない方法があります。

電報で言葉を届けることです。

お盆に電報を送らなければならないというマナーはありません。それでも、直接会うことができないときに、少し改まった形で「忘れていません」「気にかけています」という思いを届ける手段として、電報を使うことができます。

お盆の仏壇と白い花、電報をイメージしたカード
お盆に、離れた場所から気持ちを届けるという選択肢もあります

お盆は「亡くなった人を思い出す時間」でもある

お盆には、迎え火を焚いてご先祖を迎え、最後には送り火で見送るという風習があります。

地域や家庭によって過ごし方はさまざまですが、お墓参りをしたり、仏壇に花や食べ物を供えたり、家族や親戚が集まったりします。

普段は忙しく生活していても、お盆になると、

「そういえば、祖父はこんな人だったな」
「子どものころ、お盆にはいつも親戚が集まっていたな」

と、亡くなった人のことを思い出すことがあります。

考えてみれば、お盆とは何か特別なことをするだけの日ではなく、亡くなった人を思い出すきっかけになる時期なのかもしれません。

帰省できないお盆もある

家族が離れて暮らすことは、今では珍しくありません。

東京で働いていて実家は九州ということもあれば、海外に住んでいることもあります。お盆休みが必ず取れるとも限りません。

高齢の両親が遠方に住んでいて、こちらにも子どもがいる。そんな事情から、「今年も帰れそうにないな」ということもあるでしょう。

遠方でお盆を迎える家族を思いながらスマートフォンを見る人のイラスト
帰省できなくても、故人や家族を思う気持ちまで遠くなるわけではありません

もちろん、帰省できないからといって、何かをしなければならないわけではありません。電話一本でも十分でしょう。

けれど、たとえば大切な人を亡くして最初のお盆を迎える家族に対しては、

「今年のお盆は、きっといろいろ思い出すだろうな」

と気になることがあります。

そうしたときに、短い言葉を届けてみるのも一つの方法です。

お盆に電報を送ってもいい?

お盆に電報を送ること自体に問題はありません。

ただし、お盆に電報を送ることが一般的な作法として決まっているわけではありません。

結婚式なら祝電、葬儀なら弔電というイメージがありますが、お盆の電報はもっと自由に考えてよいでしょう。

たとえば、次のような場合に電報で気持ちを届けることができます。

  • 初盆・新盆を迎えるご家族へ
  • 遠方でお墓参りに行けないとき
  • 生前お世話になった方のご家族へ
  • 親や親戚へ「今年は帰れません」という気持ちを添えて
  • 葬儀後に訃報を知り、お盆を機会に改めてお悔やみを伝えたいとき

電報サービスの中には、お盆や法要などに利用できるお悔やみ用の台紙や、お線香などを添えられる商品もあります。

ただ、重要なのは豪華なものを送ることではありません。

「故人のことを覚えています」ということが、言葉になって届くこと。

そこに電報を送る意味があります。



初盆・新盆にはどんな言葉を送ればいい?

亡くなった方が初めて迎えるお盆を、一般に「初盆(はつぼん・ういぼん)」「新盆(にいぼん・あらぼん)」などと呼びます。

ご遺族にとっては、故人を思い出す機会の多い時期でもあります。電報を送る場合も、難しい文章を書く必要はありません。

お盆の提灯、線香、白い花と便箋を描いた水彩イラスト
立派な文章よりも、故人を思い出していることが伝わる言葉を

シンプルに送る場合

初盆を迎えられるにあたり、あらためて心よりお悔やみ申し上げます。
在りし日のお姿を偲び、安らかなご永眠を心よりお祈り申し上げます。

お世話になった方へ

初盆を迎えられるにあたり、生前のお優しいお姿を懐かしく思い出しております。
あらためて感謝申し上げますとともに、安らかなご永眠を心よりお祈りいたします。

遠方のため伺えない場合

初盆を迎えられるにあたり、本来であればお伺いしたいところですが、遠方のためかないません。
遠くより在りし日のお姿を偲び、安らかなご永眠を心よりお祈り申し上げます。

弔電の一般的な文例については、こちらの記事も参考にしてください。

弔電の文例について詳しく見る

「昔こんなことがありました」を一言入れる

定型文だけでは少しよそよそしいと感じるなら、短い思い出を添えてみるのもよいでしょう。

たとえば、

夏になると、○○さんに連れて行っていただいた海のことを思い出します。

あるいは、

いつも笑顔で迎えてくださったことを、今でもよく覚えています。

それだけでも、その人にしか書けない文章になります。

電報というと「謹んで哀悼の意を……」といった格式のある文章を書かなければならないように思えます。

しかし、お盆に届ける言葉なら、必ずしもそうする必要はありません。故人を知っているからこそ書ける具体的な一言のほうが、ご家族にとって心に残ることもあるでしょう。

お盆に「弔電」と考えると少し重すぎる?

葬儀ではないので、「お盆に弔電を送るというのは、少し大げさではないか」と感じる方もいると思います。

それはもっともです。

お盆に何かを届ける場合、必ずしも「弔電」と構える必要はありません。電報はあくまで、言葉を少し丁寧な形で届ける方法と考えればよいでしょう。

ごく親しい家族なら、電話やメッセージアプリのほうが自然なこともあります。

一方、生前お世話になった方のご家族など、電話をするほど近しいわけではないけれど、何か気持ちを伝えたい相手には、電報の程よい距離感が合うことがあります。

お線香や花を一緒に届ける方法も

電報サービスには、メッセージだけでなく、お線香やプリザーブドフラワーなどを組み合わせた商品もあります。

お盆に直接伺えない場合には、「お供え物+短いメッセージ」という形にすることもできます。

ただし、相手が香典や供物を辞退している場合には、その意向を尊重しましょう。何か立派なものを贈ることより、ご遺族に負担をかけないことのほうが大切です。

弔電の料金やサービスを比較したい場合は、こちらの記事も参考にしてください。

安く送れる弔電・電報サービスを比較する

お盆だからこそ、「生きている人」への言葉も

お盆の電報というと、どうしても亡くなった方に目が向きます。

でも、実際にメッセージを受け取るのは、生きているご家族です。

たとえば、最後に、

暑い日が続きますので、どうぞお身体を大切になさってください。

と一言添える。それだけで文章の印象は少し変わります。

亡くなった方を偲ぶと同時に、今そこにいる人を気遣う。それも、お盆に言葉を届ける意味の一つではないでしょうか。



電報は「会えないときの言葉」

今では、メッセージアプリもメールもあります。電話なら、その場ですぐに話すこともできます。

そう考えると、電報は少し不思議な存在です。速さだけを考えれば、もっと便利なものがあります。

それでも電報が使われ続けているのは、普通のメッセージより、ほんの少しだけ「特別な言葉」にできるからなのかもしれません。

お盆に帰省できない。お墓参りにも行けない。

でも、ふと誰かのことを思い出した。

そんなとき、「今年も思い出しています」という言葉を届けてみる。

お盆と電報は、意外と相性のよい組み合わせなのかもしれません。



タイトルとURLをコピーしました